アフリカの川の話

旅人がとある村にやってきました。

村へと続く川にはまだ橋がなく、村人たちは川に入って渡っているようでした。

しかし、旅人は気づきます。

みな、足元の悪い川の中を、わざわざ大きい石を持って渡っているではありませんか。

「おいおい。あんな大きい石を抱えて、重いし邪魔になるし、面倒じゃないか。自分は身軽に渡ってみせるぞ」

そうして、旅人は何も持たずに川へ入りました。

腰まで浸かるほど川の中へ進んだころでしょうか。

突然、ごわっと激しく水が押し寄せ、旅人は流されてしまいました。

運よく近くにいた村人に助けられた旅人は、川を渡る方法を尋ねました。

「この川はそれほど深くありませんが、流れがとても速いのです。

しかし、大きい石を抱えて歩くと重心を保ちやすくて流されずにすむのですよ」

と、村人は教えてくれました。

旅人は、次は大きい石を持って川に入りました。

重いし歩きにくいし抱えている腕は痛くて千切れそうです。

けれど、そのずっしりした大きい石のおかげで、川の流れにはびくともしません。

「なるほど、邪魔と思った石が流れに抗う強さをくれたのか」

こうして、旅人は今度は流されずに川を渡ることができたのでした。

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高さんが書いた原案を元に、編集・イラストを手がけさせていただきましたつっちーです。
高さんの優しくシンプルながらも大切な熱い想いが伝わるように。
そんな想いを込めてお話を描きました。
普段はカメラマン活動をメインに、ライター・イラストレーターとしても活動しております。

@kinoco_kaeru
https://kinocokaeru.com/

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